毎月の光熱費としてかかるうちのひとつ、電気代が高いと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。電気代は単発ではなく、継続的に支払うものだからこそ「出費を抑えたい」と思うのは当然のことです。
そこで今回は、「電気代の決まり方」や「なぜ高くなるのか?」について、わかりやすく解説していきます。また、電気代を抑える方法とおすすめの電力会社もピックアップしています。「今より少しでも電気代が下がると嬉しい」とお考えの方は、要チェックです。
【外的要因】電気代が高い理由
近年、電気代が高騰しており、多くの企業や企業にとって大きな負担になっています。
ご家庭のお客さまなど規制部門につきましては、平成25年5月1日から平均で1.24円/kWh、6.23%の値上げをお願いすることとなりました。
引用元:九州電力|電気料金の値上げ認可の内容(最終閲覧日2025年2月12日)
電気代高騰の背景には、さまざまな外的要因が関係しているのです。ここでは、電気代が高騰している外的要因を挙げ、それぞれについて詳しく解説します。
燃料価格の高騰
電気料金の大きな要因のひとつが、発電に必要な燃料の価格高騰です。日本では、火力発電が電力供給の多くを占めており、石炭やLNG(液化天然ガス)、原油といった化石燃料の価格が直接電気代に影響を与えます。
近年は、国際情勢の不安定化や資源国の輸出規制などにより、燃料価格が高騰。
ウクライナ侵略に伴う燃料価格の高騰などを背景として、電気の規制料金を改定するため、大手電力7社が、料金改定(値上げ)の認可申請を行いました。
引用元:資源エネルギー庁|電気料金の改定について(2023年6月実施)(最終閲覧日2025年2月12日)
日本のエネルギー自給率は低く、燃料の輸入依存度が高いため、影響を強く受けています。
また、円安の影響で燃料の輸入コストが増加し、さらに電気料金を押し上げているのです。
電力供給不足
電力供給不足も、電気代が高騰する大きな要因のひとつです。日本では、老朽化した発電所は東日本大震災といった自然災害による発電施設の停止が相次ぎました。
日本のすべての原子力発電所は、震災後にいったん停止しました。その後、安全性を高めるべくさらに厳しい基準となった「新規制基準」にもとづいて安全性を検証した結果、平成30年(2018年)6月26日現在、9基が再稼働を果たしています。
引用元:資源エネルギー庁|【日本のエネルギー、150年の歴史⑥】 震災と原発事故をのりこえ、エネルギーの未来に向けて(最終閲覧日2025年2月12日)
再生可能エネルギーの導入が進む一方で、天候に左右されるため安定した供給がむずかしい側面があり、電力不足が懸念されるケースも。電力不足のリスクがあると、火力発電所の稼働率を上げたり、市場価格の高い電力を購入したりする必要があります。
電力供給不足時のコストが電気料金に反映されるのです。
再エネ賦課金の上昇
再生可能エネルギーの普及を促進するため、「再エネ賦課金」が電気料金に上乗せされています。再エネ賦課金は、再生可能エネルギーで発電された電気を固定価格で買い取るための費用を、消費者が負担する仕組みのことです。
太陽光発電や風力発電の導入が進み、賦課金の総額が増加傾向にあります。
再エネ賦課金の制度は2012年に始まり、それ以降、再エネは急速に増えています。買い取りにかかる費用が増えることで、賦課金によるご家庭の負担額も年々上昇傾向にありますが、その単価は国が毎年見直しています。
引用元:四国電力|「再エネ賦課金」を払うのって、なんでやねん(最終閲覧日2025年2月12日)
環境に優しい再生可能エネルギーですが、太陽光発電システムの普及により買取コストが増え、長期的に電気料金を上げる要因となっているのです。
補助金制度の終了
一部の補助金制度の終了も、電気代が高騰する要因となっています。過去には、政府が電気料金の抑制を目的とした補助金を出し、電力会社が価格に反映させることで、消費者の負担を軽減していました。
しかし、経済状況や政策の転換で補助金の多くが廃止されたり縮小されたりして、結果的に電気代が引き上げられています。たとえば、近年廃止(予定も含む)された補助金制度は次のようなものです。
補助金制度 | 主な内容 | 対象期間 |
---|---|---|
電気・ガス価格激変緩和対策 | エネルギー価格の高騰による家庭や企業の負担を軽減するため、使用量に応じて値引き | 2023年1月~2024年5月使用分 |
酷暑乗り切り緊急支援 | 家庭や企業などに請求する月々の使用量から、使用量に応じた値引きを実施 | 2024年8月~2024年10月使用分 |
電気・ガス料金負担軽減支援事業 | 家庭の電力使用量のもっとも大きい時期である冬期間の電気代を、使用量に応じて値引き | 2025年1月~2025年3月使用分(予定) |
参考:経済産業省|2024年春までの電気・ガス価格激変緩和対策の継続に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可を行いました(最終閲覧日2025年2月12日),経済産業省|エネルギー価格の支援について(最終閲覧日2025年2月12日)
国や都道府県による企業向けの電力料金割引制度の廃止や縮小も、電力消費の多い業界に影響を及ぼしており、最終的には消費者の負担が増える要因となっているのです。
【内的要因】電気代が高い理由
「電気代が高い」と思ったときに、原因として考えられる理由は下記の4つです。
- 電力メーターが故障している
- 漏電している
- 使う電気の量が増えた
- 市場連動型プランを使っている
ひとつずつ、チェックしていきましょう。
電力メーターが故障している
電気代が急に上がった場合、電気メーターが故障している可能性もゼロではありません。とくに、アナログ式の電気メーターを使用している場合、毎月の電気代は、検針員によってチェックされるメーターの表示を元にして計算されます。
そのため、メーターが故障して、正しい数値が表示されていなければ、当然、電気代にも影響するでしょう。ただし、すでにスマートメーター(デジタル表示)を取り入れている場合、故障の可能性は低いと言えます。
もしも、メーターの故障が疑われる場合は、電力会社へ問い合わせましょう。
漏電している
水道代が上がったときに水漏れを疑うように、電気代が上がると「漏電しているのでは?」と不安になるかもしれません。
漏電とは、電気が本来通る場所以外のところに流れてしまうこと。しかし、漏電が原因ですぐに電気代が急に跳ね上がるという可能性は低くなります。
もちろん、不安な場合は、漏電していないかどうか、業者へ点検を依頼したり、自分でチェックしたりして、安心感を得るのは良いことです。ただし、電気代が高くなった原因を見つけたい場合は、別の要因も合わせて考えなくてはいけません。
使う電気の量が増えた
「先月に比べて急に電気代が上がった」と思ったら、シンプルに消費電力が以前よりも増えていないかどうか思い返してみましょう。とくに考えられるのは、「季節が変わってエアコン(冷房・暖房)を付け出した」や「消費電力の高い家電を購入して使い出した」などです。
また、一緒に暮らす人が増えたり、在宅ワークの導入で自宅で過ごす時間が増えたりと、ライフスタイルの変化が要因であるパターンもありえます。
市場連動型プランを使っている
契約している電気料金のプランが「市場連動型プラン」だと、電気代が急に上がるパターンも十分あり得るでしょう。市場連動型プランとは、日本卸電力取引所(JEPX)の価格に連動して、電気料金が変動するプランのことです。
市場価格が急激に上がった場合、各家庭へは即日、もしくは、翌日には影響するケースが考えられます。ちなみに、電気の市場価格が上がる状況は「急な寒さなどによる電力需要の増加」や「天然ガスの不足」などです。
季節ごとに使う家電が異なる
季節の変化によって使用する家電が異なり、電気代の変動につながります。夏はエアコンや扇風機、冷蔵庫などの使用頻度が増え、冬は暖房器具の稼働が増えるものです。エアコンや電気ヒーターは消費電力が大きく、使い方次第で電気代に大きな差が生まれます。
たとえば、エアコンの暖房時と冷房時の電気代の差について、「日立」では次のように言及。
暖房時は「約3円~約46円」、冷房時は「約5円~約28円」となります。
引用元:日立|エアコンの電気代について知りたいです。(最終閲覧日2025年2月13日)
夏場にエアコンの設定温度を低くし過ぎたり、冬場に電気ストーブを長時間使用したりすると、電気代を高くする原因になるでしょう。季節ごとの節電対策を意識することで、電気代をおさえることが可能です。
各家電の節電方法には次のようなものがあります。
家電 | 節電方法 |
---|---|
エアコン | ・定期的にフィルターを掃除する ・不必要なつけっぱなしをしない ・夏場はカーテンや扇風機を使って部屋の温度を下げる ・暖房時はサーキュレーターなどで暖かい空気を循環させる |
冷蔵庫 | ・詰め込み過ぎや不要な開閉を避ける ・熱いものは冷ましてから入れる ・壁から少し離して設置する |
照明器具 | ・LEDランプを活用する ・こまめに消す |
電気カーペット | ・必要な大きさのものを選ぶ ・電気カーペットの下に断熱マットを敷く ・分割暖房機能で人がいない場所はオフにする |
参考:日立|具体的な節電方法について(最終閲覧日2025年2月13日)
ニーズに合ったモデルを選んだり、使い方を工夫することで電気代の節約につなげられます。特に毎日使うような家電の選び方や使用方法を最適化することで、長期的に大きな節電効果が得られるでしょう。
必要以上の契約容量になっている
契約アンペア数が必要以上に高く設定されていると、基本料金が高くなり、電気代が余分にかかってしまいます。契約容量とは、同時に使用できる電力の上限を決めるものです。実際の使用状況に合っていないと、不要な固定費が発生します。
ご契約アンペアの大きさは、同時に使用できる電気の量を表しています。
同時にどれだけの電気機器をご使用になるか が、ご契約アンペアを選ぶ際のポイントです。
1年を通じてもっとも電気をご使用になるとき(同時に多くの電気機器を使う夕食時、冷房機器を使う夏、複数の暖房機器を使う冬など)を想定してお考えください。引用元:東京電力|ご契約アンペアの選び方(最終閲覧日2025年2月13日)
家族が減って電力消費が少なくなっても契約容量を見直していない場合、高い電気代を払い続けることになるでしょう。電力会社の検針票を確認し、契約アンペアを適切な容量に見直すことで、毎月の基本料金を削減できます。
契約アンペアの見直しで基本料金は下がりますが、「電力量料金」は家電などの使用状況によって変わるため、節電も同時に心がけましょう。
家の断熱性能が低い
住宅の断熱性能が低いと、冷暖房の効率が悪くなり、電気代が上がる原因になります。
昭和期に多く建てられた無断熱住宅と比べ、現在の省エネ基準に則ったレベルで断熱した住宅では、冷暖房にかかる電気代が60%削減できます。
引用元:断熱住宅.com|こんなに変わる電気代(最終閲覧日2025年2月18日)
築年数が古い家では窓や壁の断熱が不十分な場合があり、冬は暖房の熱が外に逃げたり、夏は外の熱が室内に入り込みやすかったりするものです。
結果的に冷暖房の使用頻度が増えたり、設定温度の上げ下げが大きくなったりして、電気代の高騰につながります。「断熱性能を高める工夫をする」「断熱リフォームを検討する」といった方法で、無駄な電力消費をおさえ、電気代削減につなげられるでしょう。
簡単にできる断熱性能を高める工夫には、次のようなものがあります。
- 窓のすき間をモヘアテープ(モヘアテープとは、ドアや窓、網戸などの隙間を埋めるために使用されるテープ状の素材)でふさぐ
- 窓に断熱シートを貼る
- のれんやカーテンで部屋と廊下を仕切る
- 床の絨毯やマットのの下に断熱マットを敷く
可能であれば、断熱リフォームを検討することも電気代削減に有効な方法です。
生活スタイルが変化した
生活スタイルの変化によって電気の使用量が増えることも、電気代が高い理由のひとつです。在宅勤務が増えたり、家で過ごす時間が長くなったりすると、エアコンや家電といったものの使用時間が増え、電気代が上がります。
新しい家電を導入した場合も、消費電力が増える要因になるでしょう。ドラム式洗濯機や大型冷蔵庫、電気給湯器など高電力家電を使用する過程では、電気代が高騰しやすくなるものです。「家族が増えた」「子どもが成長した」といったことも電気代に影響するでしょう。
電気代の決まり方
「そもそも、電気代はどのようにして決まるのか」と疑問を抱いている方も多いはず。電気代は、季節や地域、電化製品を使用している環境によって異なります。その上で、計算式によって導き出されることを覚えておきましょう。
1時間あたりの消費電力は、家電によっても異なりますが、目安の数値は各製品の商品詳細に書かれています。一般的に、ドライヤーや電子レンジ、エアコンなどは消費電力が高い家電です。
また、料金単価は、住んでいる地域や電力会社、契約するプランによっても異なります。
基本料金
基本料金とは、電気を使用するかどうかに関係なく発生する固定費です。使用しているアンペア数によって料金が決まり、一般的には契約容量が大きいほど基本料金も高くなります。たとえば、「東京電力」の従量電灯Bプランおける1契約あたりの基本料金は、次の通りです。
アンペア数 | 基本料金(税込) |
---|---|
10A | 311.75円 |
15A | 467.63円 |
20A | 623.50円 |
30A | 935.25円 |
40A | 1,247.00円 |
50A | 1,588.75円 |
60A | 1,870.50円 |
2025年2月13日時点
参考:東京電力|従量電灯B・C(最終閲覧日2025年2月13日)
基本料金は電力会社によって異なりますが、一般的な家庭では数百~千円台になるケースが多いでしょう。必要以上に高いアンペア数を契約していると、電気代が高くなるため、実際の使用状況に合わせた契約容量の見直しが大切です。
電力量料金単価
電力量料金単価とは、使用した電力量(kWh)に応じて支払う料金で、電気代の大部分を占めます。電力量料金単価は、電力会社や契約プランによって異なり、通常は段階制が採用されています。たとえば、使用量が一定の範囲内なら低い単価が適用され、一定以上を超えると上がる仕組みです。
「東京電力」の従量電灯Bプランでは、電力量料金単価が次のように設定されています。
使用電力量 | 電力量料金単価(1kWh) |
---|---|
第1段階料金(最初の120Whまで) | 29.80円 |
第2段階料金(120kWh超300kWhまで) | 36.40円 |
第3段階料金(300kWh超) | 40.49円 |
2025年2月13日時点
参考:東京電力|料金単価表‐電灯(最終閲覧日2025年2月13日)
電力量料金単価は、次のような要因で変動します。
- 燃料価格の変動
- 電力会社や契約プランの違い
- 時間帯や季節
2016年4月以降、電力の全面自由化が行われて以降、新規電力会社やさまざまなプランが登場しています。
2016年4月に小売は全面的に自由化され、ご家庭を含めた全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました。
引用元:資源エネルギー庁|電気料金の改定について(2023年6月実施)(最終閲覧日2025年2月13日)
ライフスタイルに合った電力会社や契約プランを選ぶことが大切です。
一ヵ月の使用電力量
一ヵ月の使用電力量(kWh)は、電気代を決める基本的な要素です。電気料金は、使用した電力量にもとづいて計算されるため、使用量が増えれば電気代も高くなります。エアコンや冷蔵庫、給湯器などの電力消費の大きい家電の使用状況によって、電気代に差が出ます。
たとえば、「東北電力」の「時間帯別電灯B」における時間帯による電力量料金の違いは、次の通りです。
時間帯 | 電力量料金(1kWhあたり) | |
---|---|---|
昼間(8~22時) | 最初の80kWhまで | 33.07円 |
80kWh超200kWhまで | 41.82円 | |
200kWh超 | 46.92円 | |
夜間(22~8時) | 27.95円 |
2025年2月13日時点
参考:東北電力|時間帯別電灯B(最終閲覧日2025年2月13日)
昼間は電力使用量に応じて電力量料金が高まり、200kWhを超えると1kWhあたり約50円に。一方で、夜間は約28円に固定され、使う時間帯によって電気代が大きくことなることがわかります。
燃料費調整単価
燃料費調整単価は、発電に必要な燃料(石油・石炭・LNGなど)の価格変動に応じて毎月変わる料金です。日本の発電は多くを化石燃料に依存しており、燃料価格が上昇すると燃料費挑戦単価も上がり、電気代も高くなります。
「中部電力」の従量制供給(低圧)では、2025年1~3月の間で、燃料費調整単価は次のように推移。
年月 | 燃料費調整単価(税込)(1kWhあたり) |
---|---|
2025年1月 | 2.33円 |
2025年2月 | 0.15円 |
2025年3月 | 0.06円 |
参考:中部電力ミライズ株式会社|燃料費調整単価表【2025年1月分】|1ページ目(最終閲覧日2025年2月13日),中部電力ミライズ株式会社|燃料費調整単価表【2025年2月分】|1ページ目(最終閲覧日2025年2月13日),燃料費調整単価表【2025年3月分】|1ページ目(最終閲覧日2025年2月13日)
世界的な原油価格の高騰や円安が進むと、日本の電気料金にも大きな影響が出るもの。燃料費調整単価は毎月見直されるため、電力会社の公式サイトや請求書をチェックし、最新の調整額を把握することが大切です。
また、世界情勢や燃料費の推移も確認すると大まかな電気代の見通しも付けやすいでしょう。
再生可能エネルギー発電促進賦課金単価
再生可能エネルギー発電促進賦課金単価(再エネ賦課金)とは、太陽光や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーの普及を支援するために、電力料金に上乗せされる費用です。電気の固定価格買取制度(FIT)にもとづいて、2012年7月から始まりました。
平成 24 年 7 月に導入された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に基づき,
買取りに要した費用を電気のご使用量に応じてすべてのお客様にご負担いただく
もの。引用元:中国電力|「太陽光発電促進付加金」と 「再生可能エネルギー発電促進賦課金」について(最終閲覧日2025年2月13日)
再生可能エネルギーで発電された電力を電力会社が買い取るコストを、全国の電気利用者が分担して負担する制度です。近年、再エネの導入が進むにつれ、再エネ賦課金単価も上昇。電気代が高くなる原因のひとつとなっています。
再エネ賦課金は毎年見直されるため、最新の負荷金額を確認し、電気料金の変動を把握することが大切です。ちなみに、2024年の再エネ賦課金単価は3.49円/kWhと過去最高を更新しました。
電気代・電力使用量をチェックする方法は?
「電気代が高い」と感じたとき、まずは自分の電力使用状況を把握することが大切です。電気代や電気使用量を把握することで、無駄を省き、コストをおさえやすくなるでしょう。ここでは、電気代や電力使用量をチェックする方法について解説します。
電力会社のサイトで確認する
多くの電力会社では、契約者向けのウェブサイトやアプリで、電気代や使用量をチェックできます。サイトやアプリにアクセスして、過去の電気使用量や請求額の推移がグラフなどで表示され、いつ電気を多く使っているか一目で確認可能です。
「東京電力」では「くらしTEPCO web」では、ログインするだけで簡単に電気料金を確認できます。
ログインするだけで、最大で過去2年分の電気・ガス料金と使用量をグラフで確認できます。※1
さらに、電気料金・使用量は週別、日別にグラフで表示され、電気使用量は時間別でも見ることができるので、省エネの成果を手軽に実感いただけます。※2引用元:東京電力|電気・ガスの料金や使用量の確認はくらしTEPCO webから!(最終閲覧日2025年2月13日)
契約プランの見直しや、省エネアドバイスを提供するサービスもあるため、電気代が高いと感じた際に有効活用可能です。定期的にチェックすることで、電気の使い過ぎを防げます。
電気料金明細を確認する
電気料金明細書には、次のような情報が記載されています。
- 基本料金
- 電力量料金
- 燃料費調整額
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
電気料金明細を保管しておいて前年同月と比較すると、使用量の増額を把握でき、電気代が高い原因を特定しやすくなります。契約アンペア数や電力量料金単価が適正かどうかを確認することに役立てることが可能です。
紙の明細だけではなく、電力会社のオンラインサービスでも明細をチェックできる場合もあるため、活用すると手軽に情報を確認できます。
電気料⾦やガス料金が
スマートフォン・パソコンでかんたんに確認できます。引用元:九州電力|My電力(最終閲覧日2025年2月13日)
スマートメーターで確認する
スマートメーターは、リアルタイムで電気使用量を計測し、30分や15分ごとのデータを記録できるデジタル電力設計です。電力会社や「三菱」といった電機会社から発売されています。
スマートメーターは、毎月の検針業務の自動化やHEMS※等を通じた電気使用状況の見える化を可能にする電力量計です。スマートメーターの導入により、30分ごとにご家庭の電気の使用状況を詳細に把握することで、電気料金の抑制や節電に役立つこと、災害時における停電箇所の把握などにも活用できることが期待されます。
引用:東京電力パワーグリッド|電力メーターとは(最終閲覧日2025年2月13日)
電力会社のウェブサイトやアプリと連携している場合が多く、リアルタイムや日ごとの電力使用量を手軽に確認することが可能です。従来のアナログメーターとは異なり、毎月の検針作業が不要になったり、電気代が高い時間帯を特定できたりするメリットがあります。
モニターや計測器を使う
家庭用の電力モニターやワットメーターといった計測器を活用すれば、家電ごとの消費電力を詳しく測定できます。エアコンや冷蔵庫、電子レンジといった家電の電力消費量を個別に測定し、電気代を押し上げているものを特定することが可能です。
今回発売する多回路電力モニターは、本体1台と施設の分電盤を接続するだけで、施設の照明や空調、コンセント、冷蔵ケース、動力設備など、最大16系統※1の使用電力量を系統別にパソコンやタブレットから確認することができます。これにより、電気系統や設備ごとの電力を使用量が明確になるため、使用状況に合わせて省エネ対策ができます。
引用元:アイリスオーヤマ|電気系統や設備単位での使用電力量を可視化 「多回路電力モニター」発売 省エネアシスト機能で効率的に対策(最終閲覧日2025年2月13日)
電気代が高いと感じる場合は、消費電力や待機電力についてチェックし、不要な電力消費を削減することに役立ちます。モニターや計測器を使うことで、家電の使用方法や買い替えについてより具体的に検討しやすくなるでしょう。
電力プランの特徴と向いている人
各電力会社からさまざまな電力プランが提供されています。「電気代が高い」と感じる場合、契約している電力プランを見直すことで、電気代をおさえられる可能性も。ここでは、代表的な電力プランの特徴と向いている人について解説します。
従量電灯プラン
従量電灯プランは、一般家庭向けの標準的なプランで、使用量に応じて電気料金が変動します。上述したように、使用量が増えるほど1kWhあたりの単価が3段階で変動する方式を採用している電力会社が多く、電気を使い過ぎると電気代が高くなってしまうケースも。
電気の使用量が少ない家庭や、こまめに節電できる方に適したプランといえます。単身世帯などにおすすめですが、使用量が多い場合はほかのプランよりも割高になる場合もあるため、注意が必要です。
時間帯別プラン
時間帯別プランは、電気を使う時間帯によって料金が異なるプランです。深夜帯の電気料金が安く、昼間は高く設定されているため、夜間に電気を多く使う方に向いています。「東北電力」では、「時間帯別電灯A」のプランを提供しており、電力量料金は次の通りです。
時間帯 | 電力量料金(税込)(1kWhあたり) | |
---|---|---|
昼間(7~23時) | 90kWhまで | 31.17円 |
90kWh超230kWhまで | 39.21円 | |
230kWh超 | 43.91円 | |
夜間(23~7時) | 27.64円 |
2025年2月13日時点
参考:東北電力|時間帯別電灯A(最終閲覧日2025年2月13日)
日中に電気使用量が多い場合、電気代が高くなる可能性があることがデメリットです。 日中仕事で家を空ける方や、夜間の活動が多い家庭にはメリットが大きいプランといえます。
オール電化プラン
オール電化プランは、給湯、暖房、調理などをすべて電気でまかなう「オール電化住宅」向けのプランです。夜間の電気料金が割安に設定されており、エコキュートやIHクッキングヒーターなどを利用する家庭に向いています。
エコキュートなどの夜間蓄熱式機器を ご使用のお客さまで、
キッチンや空調も電気の方に おすすめのプランです。引用元:東京電力|スマートライフ(オール電化)(最終閲覧日2025年2月13日)
ただ、日中の電気料金が高めに設定されているため、昼間の電力消費が多い家庭では電気代が割高になる可能性もあるでしょう。「東京電力」のオール電化プラン、「スマートライフS」では次のように料金設定されています。
時間帯 | 電力量料金(税込)(1kWhあたり) |
---|---|
午前6時~翌午前1時 | 35.76円 |
午前1時~午前6時 | 27.86円 |
2025年2月13日時点
参考:東京電力|スマートライフ(オール電化)(最終閲覧日2025年2月13日)
電気の使い方次第ではコストがかかるため、使用する時間帯や節電対策といった工夫が必要です。
定額プラン
契約容量制プランは、使用量に関係なく、契約した容量に応じた料金を支払うプランです。一定の容量までは使い放題になるため、大量の電力を使用する家庭や事業者に向いています。
たとえば、「CDエナジー」が提供する「ファミリーでんき」プランでは、300kWhの使用までは電力量料金が月額10,085.20円で固定。301kWh以上になると、1kWhあたり35.39円の上乗せ料金が発生します。(2025年2月13日時点)
ただ、使用量が少ない家庭にとっては割高になる可能性があるため、契約前に電力消費量や消費パターンをよく把握しておくことが大切です。
地域限定プラン
地域限定プランは、特定の地域に住んでいる人向けに提供される電力プランで、地域の電力会社や自治体と連携した割引サービスを受けられる場合があります。たとえば、「東北電力フロンティア」では、東北6県または新潟県で60アンペア以下で電気を使用している方向けに「スマート割引」を適用。
毎月割引があり、基本料金+電力量料金の合計額に応じて
1~3%が割引になります(スマートでんき割)。引用元:東北電力フロンティア|スマート電気 料金プラン(最終閲覧日2025年2月13日)
対象エリアが限られるため、住んでいる地域で利用できるか事前に確認が必要です。地域によっては、大手電力会社よりも料金を安くおさえられる可能性があるため、地元の電力会社をチェックするとよいでしょう。
セット割引プラン
セット割引プランは、ガスやインターネット、携帯電話などのサービスと組み合わせることで、電気料金が割引されるプランです。大手通信会社やガス会社が提供しており、複数のサービスを契約している家庭なら、電気代をおさえることができます。
「東京ガス」では、都市ガスと電気を契約している場合、電気料金の割引を受けることが可能です。
「ガス・電気セット割(定率B)」:電気需給契約ごとに、毎月の電気料金の基本料金および電力量料金の合計額(税込)から、当該合計額に0.5%を乗じた額を割引(割引額は、少数点以下切り捨て)します。
引用元:東京ガス|ガスと電気をまとめておトクな「ガス・電気セット割」(最終閲覧日2025年2月13日)
デメリットとしては、適用条件を満たしていないと割引にならないケースがあることや、料金支払い方法が限定される場合があることなどがあります。「東京ガス」で、ガス・電気セット割を利用できる条件は次の通りです。
(1)東京ガスの都市ガス(以下「ガス」という)と電気のご使用場所が同じであること
(2)ガスと電気のご契約者が同じであること
(3)ガス料金と電気料金を合算してお支払いただけること
(合算とは、料金を、クレジットカード払いの場合は同一のクレジットカードにて、口座振替払いの場合は同一の口座からの振替にて、払込みの場合は同一の払込書にて、合算して同時に支払うことをいいます。)引用元:東京ガス|ガスと電気をまとめておトクな「ガス・電気セット割」(最終閲覧日2025年2月13日)
また、不要なサービスを契約すると、結果的にコストが増えることもあるため、慎重に利用を検討しましょう。
再生可能エネルギープラン
再生可能エネルギープランは、太陽光や風力、水力などの再生エネルギーを活用した電力を供給するプランです。環境負荷を減らしたい方やエコ意識の高い家庭に向いています。「再エネスタート」では、次のように言及。
多くの小売り電気事業者が太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを電源としたプランを用意しています。再生可能エネルギー割合が100%のプランであれば、CO2排出量実質ゼロの電気となります。
引用元:再エネスタート|再エネ電気プラン(個人向け)(最終閲覧日2025年2月13日)
注意点は、通常の電力プランよりも料金が高めに設定されていることが多いこと。
いつもの電気料金に、使用電力量に応じたCO2フリー料金を加算いたします。
例えば、260kWhをご使用の場合、その月の電気料金に486円20銭が加算されます。引用元:東北料金|個人のお客様(最終閲覧日2025年2月13日)
電気代が高いと感じる可能性もあるほか、電力の供給が不安定になる場合も考えられるため、コストと環境配慮のバランスをとることが大切です。
スマートプラン
スマートプランは、スマートメーターを活用して電力使用状況に応じた最適な料金を適用するプランです。リアルタイムで電気の使用状況を把握できるため、電気の使い方を工夫すれば節約につながります。
基本料金は、お客さまの電気のご使用実績にもとづいた契約電力により決定※します。
引用元:北海道電力|エネとくスマートプラン|1ページ目(最終閲覧日2025年2月13日)
使用状況に応じて料金が変動するため、計画的に電気を使わないと、逆に電気代が高くなるリスクもあるため注意が必要です。電気を使う時間帯を意識して調整できる人には向いていますが、一定の使用リズムがない人には向かない場合もあります。
具体的な電気代の節約方法
「高い」と感じる電気代を抑えるために、できる工夫を4つご紹介します。
- こまめに電源を消す
- 家電のエコモードやタイマーモードを使用する
- LED照明を導入する
- 最低限の電化製品を設置する
- オール電化にする
- 電気料金プランを乗り換える
できる範囲で取り入れて、電気代ができるだけ抑えるように試してみましょう。
こまめに電源を消す
電気代を抑えるために、まずは電力を無駄遣いしていないか見直しましょう。たとえば、テレビを見ないときや、トイレに入っていないときは「電源(電気)をつけっぱなしにせずこまめに消す」などです。
そのほか、冷蔵庫の温度設定を時期に合わせて変えたり、エアコン使用時にサーキュレーターを使ったりするなど、普段の家電の使い方を変えることで、電気代の節約ができます。複数人で一緒に暮らしている場合は、事情を話して皆の協力を得ることも大切です。
家電のエコモードやタイマーモードを使用する
最近の家電には「エコモード」や「タイマーモード」が搭載されているものが多く、これらを活用することで電気代をおさえることも可能です。エコモードは消費電力を少なくしながら運転し、タイマーモードは必要な時間だけ動作するように設定でき、無駄な電力の使用を防げます。
ecoモード※1なら、お部屋の明るさに応じて設定温度を調整、夜間は自動で弱めの運転をするので、冷やしすぎを抑え、ムダな電気を使いません※2。
引用元:東芝|電気代が気になります。どの運転モードがおすすめですか?(最終閲覧日2025年2月13日)
エアコンをエコモードで運転すれば、通常運転より消費電力を何割か削減することが可能です。
エコモードを使用すると通常時と比べて、毎月約130円 ※1
電気代を抑えられるので、1年間だと約1,560円電気代を削減できます。引用元:プレミアムウォーター|ウォーターサーバーの電気代(最終閲覧日2025年2月13日)
炊飯器やテレビなどもタイマー機能を活用することで、つけっぱなしを防ぎ、電気代の節約につながります。
LED照明を導入する
照明の消費電力をおさえるには、LED照明への切り替えが有効です。LED電球は白熱電球や蛍光灯に比べて寿命が長いため、長期的に見てもコスト削減につながります。
白熱電球の寿命は1,000~2,000時間程度、蛍光灯の寿命は1万2,000時間程度といわれていますが、LED電球の寿命は約4万時間です。
引用元:大塚商会|LED、蛍光灯、白熱電球の違い(最終閲覧日2025年2月13日)
LED照明を導入すれば、消費電力も白熱電球と比べて大幅にカット可能です。「日立」では、LED照明と白熱電球の消費電力の違いについて、次のように述べています。
消費電力6分の1*=約85%の省エネ*
引用元:日立|照明器具:LED電球の選び方(最終閲覧日2025年2月13日)
上記は、白熱電球100W型相当のLED電球を導入した際の数値です。また、LEDは発熱量が少ないため、夏場の冷房効率も向上。間接的に電気代の節約につながります。
LED照明は白熱電球や蛍光灯のように熱を光に変換して利用する発光原理ではなく、電気を直接光に変えるため、光源自体の発熱量は非常に少ないといえます。
引用元:大塚商会|LED電球も発熱・放熱・発熱量(最終閲覧日2025年2月13日)
リビングや寝室など、長時間使う部屋からLED照明に切り替えることがおすすめです。
最低限の電化製品を設置する
電化製品の設置を最低限にすることも、電気代を抑えるポイントのひとつです。そもそも、家電を使わなければ、電力を消費することもありません。もちろん、生活スタイルや家族構成にもよりますが「電気を消費するものをあえて置かない」という選択肢を選ぶのもありです。
例えば「テレビをあまり見ないから、買取店やリサイクルショップに売って手放す」や「コインランドリーを頻繁に利用するから、次の引っ越し時には洗濯機を設置しない」などが挙げられます。
オール電化にする
「オール電化」とはキッチン設備や空調、給湯などのエネルギー源をすべて電気にすることを意味する言葉です。
オール電化プランの特徴は「夜間割引」や「早朝割引」などのプランが利用できる点です。そのため、上記のような電気代が安くなる時間帯によく電気を使う場合は、オール電化にするとお得になるパターンがあります。
しかし、「昼間の電気代が高くなりがち」などのデメリットもあるため、ライフスタイルと照らし合わせて、トータルで光熱費が安くなるのかどうか、しっかりと調べてから判断しましょう。
電気料金プランを乗り換える
電気料金のプランは、一緒に暮らしている人の人数やライフスタイルによって、相性の善し悪しがあります。つまり、電気料金のプランが合っていないことが原因で、金額が高くなっている可能性が考えられるということ。
もしも「自宅の電気代が高い原因がプランかもしれない」と思ったら、別のプランや会社へ乗り換えることも検討しましょう。
ただし、電力会社の数はたくさんあるため、勢いで決めるのではなく、慎重に比較して選ぶ必要があります。
電気代を節約するのための補助金やサービス
電気代が高いと感じている家庭や事業者向けに、国や自治体、電力会社が提供する補助金や支援制度があります。ここでは、代表的な補助金やサービスを解説するので、ぜひ内容を知って電気代の節約に役立ててみてはいかがでしょうか。
電気・ガス料金負担軽減支援事業
「電気・ガス料金負担軽減支援事業」は、電気代やガス代の高騰に対応するために政府が実施する支援制度です。対象となる家庭や事業者に対し、一定額の補助が適用され、電気代が軽減される仕組みです。
電気・都市ガスの小売事業者などが、
家庭・企業などに請求する月々の料金から使用量に応じた値引きを行います。引用元:資源エネルギー庁│電気・ガス料金支援(最終閲覧日2025年2月13日)
対象となるのは、2025年1月~3月使用分の予定です。値引き単価は次の通り。
使用期間 | 電圧区分 | 値引き単価(1kWhあたり) |
---|---|---|
2025年1・2月使用分 | 低圧 | 2.5円 |
高圧 | 1.3円 | |
2025年3月使用分 | 低圧 | 1.3円 |
高圧 | 0.7円 |
2025年2月13日時点
参考:資源エネルギー庁│電気・ガス料金支援(最終閲覧日2025年2月13日)
補助の適用は電力会社を通して自動的に行われるため、特別な申請は必要ありません。資源エネルギー庁の公式サイトでは、月々の値引き額を計算できるツールもあるため、ぜひ活用してみてください。
省エネ設備導入支援
「省エネ設備導入支援」は、高効率な電化製品や太陽光発電システム、蓄電池などを導入する際に補助金を受けられる制度です。「資源エネルギー庁」や「観光庁」などで提供されています。
事業者の省エネ設備への更新を促進するため、機械設計が伴う設備又は事業者の使用目的や用途に合わせて設計・製造する設備、先進型設備等の導入を支援します。また、化石燃料から電気への転換や、より低炭素な燃料への転換等、電化や脱炭素目的の燃料転換を伴う設備等の導入の支援も行います。
引用元:資源エネルギー庁|各種支援制度(最終閲覧日2025年2月13日)
宿泊施設・観光施設等における省エネ設備等の導入に要する経費の一部を助成することにより、インバウンドの本格再開に備え宿泊施設のサステナビリティの向上に関する取組支援することを目的としています。
引用元:観光庁|宿泊施設・観光施設等における省エネ設備等導入支援事業のマイページの新規登録のご案内と申請受付期間のお知らせ(最終閲覧日2025年2月13日)
補助金の活用により、事業者は初期投資をおさえながら電気代負担の軽減が可能に。省エネ設備は長期的にみて電力消費をおさえられるため、補助金を活用して導入することで、コスト削減につながります。
電力会社の省エネサービス
多くの電力会社では、省エネを支援するさまざまなサービスを提供しています。たとえば、電力の使用状況を可視化して、最適な電気料金プランの診断ができるアプリの提供などがあります。「パナソニック」では「スマートHEMS(家庭のエネルギー管理システム)サービス」を展開。
HEMSで計測した電気使用量をもとに
最適な電気料金プランの診断がアプリで簡単にできる引用元:パナソニック|スマートHEMSサービス 省エネ支援サービスのご案内(最終閲覧日2025年2月13日)
また、電気を使うとポイントが貯まるサービスを導入している電力会社もあり、利用者の自発的な節電につながります。「楽天でんき」では、次のようにポイントが付与されるサービスを提供。
利用方法 | 付与ポイント |
---|---|
楽天でんき単体 | 200円につき1楽天ポイント |
楽天電気+楽天ガス | 100円につき1楽天ポイント |
2025年2月13日時点
参考:楽天でんき|楽天ポイントが貯まる・使える(最終閲覧日2025年2月13日)
電気代が高いと感じている場合は、電力会社の省エネサービスを活用することで、より負担を軽減できる可能性があります。
自治体の支援制度
自治体によっては、地域住民向けに電気代の節約を支援する制度を実施しています。家庭向けの断熱リフォーム支援事業や、太陽光発電や蓄電池の設置補助金、電気代の一部を助成する制度といったものです。
たとえば、富山県富山市では、住宅や事業所に太陽光発電設備および蓄電池を設置する方への補助が行われました。
再生可能エネルギーの導入拡大と地産地消を推進するとともに、停電時における地域の防災機能の強化を図るため、住宅・事業所に太陽光発電設備や蓄電池を設置する市民・事業者等を対象に、設備の設置に要した費用の一部を補助します。
引用元:富山市|富山市太陽光発電設備及び蓄電池導入促進補助金について(最終閲覧日2025年2月13日)
自己所有の住宅では、太陽光発電設備の設置に上限35万円、蓄電池には上限40万円の補助額で支給。自治体によって支援内容や申請受容県が異なるため、住んでいる地域の公式サイトを確認し、利用できる補助金や助成金がないか確認しましょう。
電気代を節約するために役立つアプリやツール
「電気代が高い」と感じたときは、電力使用量を把握し、節約につながるアプリやツールを活用することがおすすめ。電力会社のプラン比較、使用状況の可視化など、さまざまなツールが登場しています。ここでは、電気代の節約に役立つアプリやツールをまとめました。
Looopでんきアプリ
「Looopでんきアプリ」は、電力会社Looopが提供する電気料金管理アプリです。契約者向けに、電気の使用状況や料金をリアルタイムで確認できる機能を搭載。電気の使用量に応じた節約アドバイスが表示されるため、無駄な電力消費をおさえることが可能です。
Looopでんきアプリの機能には、ほかにも次のようなものがあります。
- 直近の電気使用状況をもとに当月の電気代予測を表示
- 電気代の変動を通知し、省エネ行動を促す
- 先週の電気使用状況についてレポートを配信
- スマートリモコンと連動して指定した時間にエアコンを自動操作
Looopでんきの特徴は、30分ごとに電気料金が変動すること。
Looopの「スマートタイムONE」では料金単価が30分ごとに変動。 電力量料金の単価が安い時間帯に家電を使うなど、ご家庭の中で電気を使う時間帯をピークシフトさせることで、節電を頑張らずに電気代を抑えることができます。
引用元:Looopでんき|Looopでんきの特長(最終閲覧日2025年2月13日)
アプリを活用することで、電気代が安い時間帯を把握しやすくなったり、記録を振り返りながら使い方について考えたりできます。電力の高い時間や安い時間に通知を受け取る設定ができ、電気をかしこく使って電気代をおさえたい方の頼りになるでしょう。
エコ電気アプリ
「エコ電気アプリ」はソフトバンクが提供する、電気の使用状況を可視化し、省エネをサポートしてくれるアプリです。電力消費量のデータを記録し、時間帯ごとの消費傾向を分析できるため、無駄な電力を削減できます。そのほかの特長は次の通りです。
- 1ヵ月分の電気料金を予測
- 節電チャレンジなどに挑戦してポイントを獲得
- 過去の節電結果が可視化される
- 節電の具体的なヒントをもらえる
また、省エネにつながる行動をとることでPayPayポイントが貯まり、特典と交換できることもお得なポイント。
アプリで獲得したポイントは、PayPayポイントに交換し、ご利用いただけます。
ぜひ普段のお買い物などにご利用ください!引用元:ソフトバンク|エコ電気アプリで楽しくおトクに節電(最終閲覧日2025年2月13日)
電気代が高いと悩んでいる方は、エコ電気アプリを活用して、意識的に電気を節約する習慣をつけるとよいでしょう。
エネチェンジ
「エネチェンジ」は、電力会社のプランを比較し、自分に最適なプランを見つけられる比較サイト。現在契約している電力プランの料金と、他社のプランを比較し、より安いプランへの乗り換えが可能です。
公式サイトで、居住地や世帯人数、月の電気代などを入力するだけで自分に合ったお得なプランを提案してくれます。電力会社やプランを決めることがむずかしい方でも、簡単に最適なものを見つけられる便利なサービスです。
スマートメーター連携アプリ
スマートメータ連携アプリは、自宅のスマートメーターと連携し、リアルタイムで電力使用量を確認できるアプリです。電気代が高いと感じるときに、いつ、どの家電が電気を多く消費しているのか可視化できるため、無駄な電力消費をおさえることに役立ちます。
「東京電力」では、HEMS機器と連携して利用できるサービスを提供。
スマートメーターで計測したデータを、お客さま宅内のHEMS機器へ送信するサービス※です。HEMS機器で、30分ごとの電気のご使用量や現在お使いの電流値等を把握することで、より効果的に省エネを行うことができます。
引用元:東京電力|スマートメーター(最終閲覧日2025年2月13日)
電力使用量のデータを把握したり、過去の消費傾向を分析できたりするため、節電意識を高めるために有効なサービスといえます。電力会社によって提供の有無や、サービス内容が異なるため、利用条件を確認しましょう。
光熱費管理アプリ
光熱費管理アプリは、家庭の電気代やガス代の使用状況を記録し、節約のヒントを提供するアプリです。電力使用量を日別・月別などで管理できるため、どのタイミングで電気代が上がりやすいのか分析しやすくなります。
また、同じ地域や家族構成の世帯と比較できる機能をもつアプリもあり、自宅の電気代が平均と比べて高いのかどうか確認することも可能です。節電の成果を視覚的に把握でき、省エネ行動につながりやすいツールといえます。
主な光熱費管理アプリは。次の通りです。
アプリ名 | 対応機種 | 料金 | 特長 |
---|---|---|---|
光熱費管理|光熱費専用のグラフ家計簿 | iOS、Android | 無料(広告非表示:700円) | ・光熱費の使用量を入力すると、リストとグラフで可視化 ・入力忘れが内容に通知機能あり ・シンプルで使いやすい |
シンプル光熱費管理 | iOS | 無料(広告非表示:650円、PDFの共有と印刷機能:480円) | ・入力した使用量を棒グラフで可視化 ・前年との比較が可能 ・電気代や売電金額も入力可能 |
2025年2月13日時点
参考:エネチェンジ|節約につながる!光熱費の管理アプリおすすめ4選(最終閲覧日2025年2月13日)
電気モニター
「電気モニター」とは、自宅の電力消費量を測定できる機器です。電気代統計を記録したり、家電ごとの消費電力を測定したりできます。電力消費の傾向を把握したり、電気代を高くしている家電を特定したりすることに役立つアイテムです。
たとえば、「Amazon」では次のような電気モニターが販売されています。

商品名 | ワットチェッカー |
---|---|
メーカー | KETOTEK |
価格(税込) | 2,899円 |
計測可能なデータ | エネルギー(kWh)、電力(W)、電流(A)、電圧(V)、周波数(Hz)、力率(PF)、コスト、最大電力、最小電力、稼働時間 |
特徴 | ・負荷電力や消費電力、電気料金が規定値に達すると通知 ・測定結果を保存可能 ・個別の家電の消費電力を測定可能 |
2025年2月13日時点
参考:Amazon|KETOTEK ワットチェッカー 電力計 電気使用量 チェッカー 消費電力測定器 電力量計 コンセント 電気料金計測 電力表示器 過負荷警告付き(最終閲覧日2025年2月13日)
スマートメーターなどの設置がむずかしい方でも、手軽に導入でき、家庭内の電力使用状況を把握できることが電気モニターのメリットです。
自分に合った電力会社を選ぶポイント
電気代が高い月が続いた場合、電力会社のプランを見直すことでコストを削減できる可能性があります。ここでは、電力会社を選ぶ際にチェックすべきポイントについて解説。ぜひ参考にして、自分の生活スタイルや使用状況に合った電力会社を選びましょう。
使用量に合ったプランがある
電力会社を選ぶ際には、自分の電気使用量に合ったプランがあるかを確認することが大切です。電気の使用量が少ない家庭向けのプランや、電力消費が多い家庭向けの割引サービスなど、さまざまな選択肢があります。
「東京電力」では使用状況や、世帯数に応じた電気プランを提供。
プラン名 | 電気をよく使う時間帯 | 家族の人数 |
---|---|---|
プレミアム | 日中もエアコンや洗濯機などの家電を使う | 5人~ |
スタンダード | 日中もエアコンや洗濯機などの家電を使う | 1~4人 |
夜トク | 23時以降に家電を使う | ‐ |
参考:東京電力|ライフスタイル別料金プラン(最終閲覧日2025年2月13日)
一人暮らしなら基本料金が低いプラン、家族世帯なら使うほどお得になるプランなどがぴったりでしょう。電気代が高いと感じる場合は、現在の使用状況を把握し、各電力会社のプランを比較しながら選ぶことが重要です。
基本料金や電力量料金単価を比較
電気代の大半を占めるのが、基本料金と電力量料金です。基本料金は契約容量に応じて固定され、電力量料金は使用した電気の量に応じて変動することが一般的。電力会社ごとに単価が異なるため、比較することで安い会社を選べます。
たとえば、電力会社によって電力量料金単価(1kWhあたり、従量電灯B相当)は次のように違います。
東北電力 | 楽天でんき(東北電力エリア) | 東京ガス | |
---|---|---|---|
最初の120kWhまで | 29.62円 | 37.40円 | 29.70円 |
120kWh超300kWhまで | 36.37円 | 35.69円 | |
300kWh超 | 40.32円 | 39.50円 |
2025年2月13日時点
参考:東北電力|従量電灯B(最終閲覧日2025年2月13日),楽天でんき|プランS(最終閲覧日2025年2月13日),東京ガス|電気料金メニュー「基本プラン」契約・料金の仕組み(最終閲覧日2025年2月13日)
なかには基本料金ゼロのプランや、電力量料金が安いプランを選ぶことで、電気代が高いと感じる家庭でも節約が可能。契約前に細かくシュミレーションすることがおすすめです。
サービスやオプションが充実している
電力会社によっては電気料金の割引サービスやポイント還元制度、省エネアドバイスなどさまざまなオプションを提供。たとえば、次のようにサービスがオプションがあります。
電力会社 | サービス・オプション名 | 特徴 |
---|---|---|
Pontaでんき | ポイント還元 | 使った電気料金にかかわらず、毎月必ず150Pontaポイントが貯まる |
四国電力 | よんでんコンシェルジュ リニューアルキャンペーン | ・期間中(2025年1月21日~2025年3月31日)によんでんコンシェルジュにログインすると、よんでんポイント500ポイント付与 ・2025年1月分~3月分の料金連動ポイント10倍 |
ENEOSでんき | にねんとくとく割 | ・2年間、電力料金単価が1kWhあたり0.2円引き ・3年目以降、電気量料金単価が1kWhあたり0.3円引き |
2025年2月13日時点
参考:Pontaでんき|Pontaでんきなら年間最大今だけ5,000Pontaポイントたまる!(最終閲覧日2025年2月13日),四国電気|よんでんコンシェルジュ リニューアルキャンペーン(最終閲覧日2025年2月13日),ENEOSでんき|にねん とく2割(とくとく割)(最終閲覧日2025年2月13日)
電気代が高いと感じるときには、サービスやオプションが利用できる電力会社を選ぶことで、実質的な負担を減らせる可能性があります。基本料金や電力量料金単価も踏まえながら、サービスやオプションをお得に活用しましょう。
再生可能エネルギーを使用できる
環境に配慮しながら電気代を節約したい場合は、再生可能エネルギーを利用できるプランを選ぶこともおすすめです。太陽光、風力、水力などのエネルギーを活用した電力プランは、「CO2排出量を削減できる」「長期的な電気代の安定化」につながる可能性があります。
「東北電力」の「CO2フリー料金プラン」は、再生可能エネルギーを利用できるプランです。
CO2フリー料金プランとは、発電する際にCO2を排出しない電気や
再生可能エネルギー電源に由来する非化石価値を付加することで、
CO2フリーの電気をご提供する料金プランです。引用元:東北電力|再エネ電気料金プラン(最終閲覧日2025年2月13日)
ただ、再生エネルギーを利用するプランでは、通常よりも電気料金が高く設定されている場合もあります。利用前に、電力会社の公式サイトなどで条件をよく確認することが大切です。
地域に合ったプランがある
地域によって利用できる電力会社やプランが異なるため、自分が住んでいるエリアで最適なプランを選ぶことが大切です。地方では地域限定の割引プランや、自治体と連携した補助制度が利用できるケースがあります。
「ローカルでんき」では、東北電力管内に住んでいる方に、お得なプランを提供。
ローカルでんきで今より電気代がお得に!
ローカルでんきは、秋田県水力発電所で発電された秋田県産の電力を調達しています。引用元:ローカル電気|サービス一覧(最終閲覧日2025年2月13日)
また、冬の寒さが厳しい地域では暖房使用量が増えるため、時間帯別の割引プランを活用することで電気代をおさえやすくなります。地域特性に合ったプランを選んで、電気代が高い悩みを解消しましょう。
乗り換えがしやすい
電力会社を選ぶ際には、乗り換えの手続きがよりスムーズにできるかも注目すべきポイントです。「手続きが煩雑ではないか」「解約時の違約金がないか」といった観点をもって電力会社を選ぶことで、よりお得な会社やプランが見つかった際に、乗り換えやすくなります。
定期的にプランを見直して、よりお得に利用できる電力会社に切り替えることは、電気代節約のための有効な方法です。電力会社を決める際は、契約内容や解約条件を事前に確認しておきましょう。
信頼性や安定性がある
電力会社を選ぶときは、信頼性や供給の安定性も考えることが大切です。新規参入の電力会社では、事業撤退やサービス内容の変更が発生する可能性もあります。
2024年3月時点で「撤退」「倒産・廃業」した新電力会社は累計で119社(構成比16.9%、前年同月比43.4%増)。2年前(2022年3月、17社)から7倍に増え、2021年4月に登録のあった706社の2割弱を占めた
引用元:帝国データバンク|「新電力会社」事業撤退動向調査(2024年3月)(最終閲覧日2025年2月13日)
口コミや評判、公式サイトなどを定期的にチェックすることで、信頼性や安定性を把握しやすくなるでしょう。電力会社を選ぶ際は、料金の安さだけではなく、長期的に安心して利用できる電力会社を選ぶことが重要です。
- 電力販売の実績やグループ企業の状況を確認する
- サポートの対応、障害時の対応などを評価する
- 柔軟な契約プランがある
- 企業の歴史や市場での評判を確認して、信頼性をはかる
- 再生可能エネルギーへの取り組みの姿勢を確認する
- 料金の透明性を確認する
上記のようなポイントをおさえて、信頼性や安定性の高い電力会社を選びましょう。
電気代についてのよくある質問
電気代が高いと悩んでいる方は、原因や対策を知ることで節約につなげやすくなります。ここでは、電気料金の仕組みや電力会社の選び方など、よくある質問についてまとめました。電気代に関する疑問を解消して、電気をお得に利用しましょう。
急に電気代が高くなったときの原因は?
急に電気代が高くなった場合、次のようなことが原因として考えられます。
- 電力使用量の増加
- 電気料金単価の変動
- 家電の劣化や設定ミス
- 燃料価格の高騰
季節によってエアコンなどの使用機会がふえるため、電力消費が大幅に増加することがあるでしょう。燃料価格の高騰により、電力会社が燃料費調整額を変更することで、単価が上がることもあります。
家電の設定が変わっていたり、劣化によって漏電していたりする場合も電気代が高くなる要因になるため、電力情報や家電のチェックをしてコスト削減の工夫をしましょう。
電力料金の単価は?
電力料金の単価は、契約しているプランや電力会社によって異なります。一般的には「基本料金」と「電力量料金」の2つで構成されており、使用量が増えると単価が上がる段階性料金を採用している会社が多いです。
上記の料金のほかに、燃料費調整額や再生エネルギー賦課金が加算されることも覚えておきましょう。電気代が高いと感じる場合は、契約プランの料金表を確認して、より安いプランがないか比較することがおすすめです。
電力会社は変更できる?
2016年4月1日からの電力自由化により、契約している電力会社を自由に変更できるようになりました。
これまで家庭や商店向けの電気は、各地域の電力会社が供給し、
その料金は、法律で定められた方法により決定されておりましたが、
ライフスタイルや価値観に合わせ、
電気の売り手やサービスを自由に選べるようになりました。引用元:資源エネルギー庁|料金の仕組みと料金メニュー例のご紹介(最終閲覧日2025年2月13日)
新電力会社に切り替えることで、基本料金を削減できたり、電力量料金を安くおさえられたりする可能性があります。ただ、電力会社によって契約条件や解約条件が異なる場合があるため、事前に確認することが大切です。
電気代が高いと感じている方は、複数の電力会社を比較し、自分に合ったプランに乗り換えることが賢い選択といえるでしょう。
電力会社によって電気代は違う?
電力会社によって電気料金の仕組みや割引サービスなどが異なるため、電気代が異なる場合があります。「0円でんき」では、基本料金0円のプランを提供。
0円でんきは%8